嗅覚障害
嗅覚が弱くなったり、まったく感じなくなる状態を「嗅覚障害」といいます。花の香りや食べ物の風味がわからなくなるだけでなく、ガス漏れや焦げたにおいに気づけないなど、日常生活での危険にもつながります。原因としては、風邪などのウイルス感染症、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、頭部のケガなどが代表的です。
検査は、まず鼻の中を内視鏡で観察して原因となる病気がないかを確認します。まれに脳腫瘍などの病気が関係していることもあり、なかなか改善しない場合は、CT、MRIなどの検査が必要になることもあります。においがわからない、味がしないと感じたときは、耳鼻咽喉科でのご相談をおすすめします。
治療

嗅覚障害の治療は、まず原因となっている病気を見極め、その治療を行うことが基本です。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因であれば、鼻の処置や内服薬による治療を行います。必要に応じて、炎症を抑えるステロイドの点鼻薬を使うこともあります。

体質や症状に応じて、漢方薬を取り入れることもあります。また、原因によっては、さまざまな香りを繰り返し嗅ぐことで嗅神経の再生を促す「嗅覚刺激療法」も有効です。改善には月単位の時間がかかることもありますが、地道に継続することが大切です。